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子どもの疾患

子どもの疾患

Pediatric Diseases

夜尿症

夜間就眠中に無意識に尿がもれてしまう状態(おねしょ)です。子どもの場合は、膀胱の容量が不十分、抗利尿ホルモン(尿量を抑えるホルモン)の夜間の分泌が不足、尿意による刺激で覚醒しにくいなどの要因があります。排尿や飲水の習慣の見直しから始め、効果の乏しい場合には薬物治療を行います。小学校に上がってもおねしょが見られる場合でも自然に軽快することがほとんどではありますが、治療介入により夜尿症の解消までの期間を短縮することが期待できます。

検尿異常

学校や幼稚園の健診の尿検査で、蛋白や潜血が陽性となることがあります。成人の尿検査異常とは考慮すべき疾患が異なります。尿潜血単独では尿路結石や特発性腎出血、一部の腎症の可能性を考慮しますが、小中学校健診における尿潜血陽性の3 割程度は月経によるという報告もあります。尿蛋白単独の場合は、運動性・起立性蛋白尿の可能性が高く、早朝尿の尿定性沈渣が必要です。蛋白・潜血ともに陽性の場合には尿路感染や糸球体腎炎の可能性があります。

膀胱炎・腎盂腎炎

尿路の細菌感染症であり、女児に多く見られます。膀胱炎では急な頻尿、排尿痛、血尿などの症状が特徴です。細菌が腎臓内(腎盂)まで波及すると腎盂腎炎となり、高熱や片側の背部痛を伴います。採血・採尿・尿培養検査等で評価し、適切な抗菌薬による治療を行います。また繰り返す場合には、超音波検査等で尿管膀胱逆流や水腎症など形態的・機能的な異常がないかチェックします。

停留精巣

精巣は胎児期に腹部から陰嚢内へ下降してきますが、下降が途中で止まり、骨盤の内部や鼠径部(足の付け根)にとどまった状態を停留精巣といいます。その場合、乳児健診で陰嚢内に精巣を触知しないと指摘されます。生後6ヶ月までは自然に下りてくる可能性がありますが、それ以降は改善が見込みにくく小児外科での手術療法が検討されます。停留精巣は将来的に精子を造る機能が落ちてしまう、悪性腫瘍が発生しやすくなるなどのリスクがあるため、1〜2歳での治療介入が推奨されています。また精巣が陰嚢内まで下降しているももの、固定が不十分の場合は移動性精巣と呼ばれます。

包茎

包皮が亀頭を覆っている状態を包茎といいますが、包皮をむこうとしたときに亀頭を完全に露出できる仮性包茎と亀頭を露出できない真性包茎に分類されます。真性包茎の場合は、排尿時に包皮内に尿が貯まって風船のように膨らんでしまうバルーニングや、包皮内に垢が溜まり感染を起こす亀頭包皮炎の原因ともなります。包茎は成長によりおのずと解消されうるため、日本では思春期を終えるまで外科的治療に踏み切らないことが多いですが、感染を繰り返すケースなどは例外です。