月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~12:30 |
~13:00 |
||||||
14:00~17:00 |
今日はタイトル通り推しの子…ではなく、AI(Artificial Intelligence)のお話です。
開業準備は順調に進んでいて、オープニングスタッフの顔合わせも行いました。生まれて初めて雇用主になる身として、日々その責任の重さを感じています。そして準備を進める中で、世の中は本当に多種多様な仕事で出来ている、なんだか社会科見学の小学生が言いそうな当たり前のことを強烈に実感しています。工事の配線ひとつ内装のピクトグラムひとつ取っても、蛇の道は蛇、業者さん同士が試行錯誤しながら形にしてくれます。保健所・関東信越厚生局・ハローワーク・労働基準監督署など、様々な行政手続きにおいては分厚い書類をチェックしてもらい、当院へ来訪される大勢の方々と挨拶をし名刺を交換して、そしてその都度まとまったお金も動きます。その額面を見れば、規模さえ全く異なりますが、某大学分院の建設計画が頓挫したニュースも対岸の火事とは思えません。営業も名刺交換もやったことのない医師というものが、いかに世間知らずかを痛感させられます。
そんな世間知らずの新米開業医にとって、最近頼もしい相棒となったのがAIです。chatGPTをはじめとする生成AIがもたらした恩恵というのはすさまじいものがあります。10年20年経って振り返ったときに、「ここでごろっと時代が動いたよね」と振り返られる一瞬に生きているのかもしれません。情報収集を迅速にしてくれる、面倒な行政文書の推敲もしてくれる、妻への心のこもったラブレターも書いてくれる(だめですよ)。ひとり秘書をつけているかのような感覚になります。
AIはまもなく医療の分野にも変革を起こすでしょう。外来診療の要である電子カルテにAIが組み込まれるのは容易に想像できます。問診票を取り込み、医師は患者さんの所見を取って入力するだけ、AIが提示する診断を確認して、AIが提示する治療を追認する。医師は指示を出す側から、処方や点滴の間違いがないか、ダブルチェックする側に回るのです。処方箋に医師のハンコが押してあっても、一緒にAIの認証サインもないと、患者さんに納得してもらえなかったり薬局に受理してもらえなかったりする時代が来るかもしれません。
手術についても例外ではありません。現在ロボット支援手術が一般的になり、手術は定型化が進んでいます。皮膚切開と腹腔鏡ポートの造設は外科医が行い、場が整えばそこからはロボットが自ら判断してパートごとに手術を進める、トラブルがあれば一時的にマニュアルに切り替える、閉創はまた外科医がやる。そんな形が想像されます。これは離陸と着陸だけ手動に切り替える旅客機の操縦とも似ています。ただ実現を邪魔するものがあるとすれば、他でもない外科医かもしれませんが(だって外科医にとって手術は醍醐味ですから)。
もちろんAIの回答を鵜呑みにしないリテラシーは不可欠です。この文章だって、もしかしたら「内田っぽくAIについてブログ書いて」とchatGPTにお願いしているだけかもしれません。
—
最後になりますが、12月20日・21日の内覧会の案内を掲示しました。こちらをご覧ください。