1月6日に無事開院の日を迎えることができました。オープニングスタッフをはじめ、背中を押してくださった先輩医師の先生方や友人たち、地域の皆さま、オーナーさんやご協力いただいた業者の皆さまに、心より感謝申し上げます。地元の皆さまの健康を支え不安を解消するために、近隣の総合病院と密に連携しながら、ひとつひとつ歩を進め、クリニックとしての課題が生じればスタッフとともに解決して参ります。

開業して間もないですがこの数日間だけでも、勤務医だった頃と比べて心構えを大きく変える必要があることを早速実感しています。「こんなニーズもあるのか」と思う場面にすでに何度か直面しました。これまでは、病院ごとに歴史や特色があって、その強みを活かした診療を行ってきました。その結果、泌尿器科疾患の中でも、自信が持てる分野と自信が持てない分野がはっきりしており、時には「ここではお力になれない」と正直に伝えたこともあります。

しかし、今は紹介を受ける立場ではなく、地域の皆さまが最初に訪れる窓口の役割を担っています。そのため広く間口を構え、柔軟に対応することが求められます。かつてのように専門性という強みを御旗に掲げて、どしっと構えるのではありません。多岐に渡る疾患は専門医でもカバーしきれませんが、できる限り当院で解決を図れるように、一方で然るべきときには迅速に最良の治療を紹介できるように、その両面を大切にしていきたいと考えております。

こっちのけんとの「はいよろこんで」、その風刺の利いた歌詞とは少しニュアンスが異なりますが、患者さんのご希望にはできる限り「はいよろこんで」と応えられるようにありたいと思っています。そうしてこの西川口にある当院が、地域のためにあるべき姿に徐々に型作られていけば、それは院長として望外の喜びです。

—

それにしても、あのミュージックビデオを見ても「鳴らせ君の3〜6マス」が心電図の目盛りのこととは思い至りませんでした。卓越した日本語のセンス。